デュボワのパブリックエデュケーション活動

プロフェッショナリズムとポピュリズム

2010年11月11日 日本歯科評論掲載

プロフェッショナリズムとポピュリズム

映画『告白』を題材にしたディベートが東京の品川女子学院で行われ、私(中原)も参加した。 東京の杉並区立和田中学校の元校長である藤原和博氏が司会となり、高校1年制の希望者を募った課外授業に、主演女優の松たか子さんや監督の中島哲也氏をはじめとする数名の大人が混じり、マスコミも一緒に参加しての『特別授業』というイベントだった。前半のテーマは『告白』の中で描かれている"復習の是非"についてであり、後半はそれを司法における"裁判員制度"にまで広げて討論された。どちらのテーマにおいても、大人顔負けのコメントが生徒たちから飛び出してくるのが象徴的だった。 ディベートのクレイマックスでは、"裁判員制度の効用"を巡って傍聴している観客も含め会場にいるすべての人が動員され、「期待できる」と「期待できない」のグループに分けられた。 筆者はこれまであまり裁判員制度に関して深く考察したことがなかったが、直感が働いて「期待できない」ほうに移動したら4:1の少数派だった。直感で動いて後からリロオン構成を考える、といういつもの癖が出てしまった。

人類初のプロフェッショナルは医療と司法に携わる人たちだった

人の命に関わる医療と人生に関わる司法は、古代ギリシャやローマにおける都市国家が起源とされている。 すなわち、"ヒポクラテスの誓い"はプロフェッショナルの原点である。 プロフェッショナリズムといってもその概念は大学では教えられていないし、プロフェッショナリズムの崩壊といいても何が崩れたのかすら理解できないかもしれない。 「プロフェッショナルが厳しい修練や掟と引き換えに得ることができる第一のものは、自由である。そしてインディペンデント性と表裏一体の関係で得ることができるのが、組織に帰属していなくても生きていけるという安心感である。プロフェッショナルは、自分の仕事が生み出す価値の厳選がすべて自分自身の内にある」と、波頭 亮著『プロフェッショナル原論』(筑摩書房)に書かれている。 医師法や歯科医師法はこれを保障するが、われわれの存在は保険医に登録した段階で規制の対象となるため、自由度が損なわれている感は否めない。波頭氏によれば、コンサルタントという新しい職業の"プロフェッショナルとしての心構え"を自ら律して原論として書き下ろしたが、本の感想を送ってきた読者の大半は医師であり、「頻発する訴訟や一連の医師叩きに疲れて医師を辞めようと思ったが、この本のお陰でもう一度考え直す勇気を得た」等の便りが多かったと聞く。


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