デュボワのパブリックエデュケーション活動

直感力とクリティカル・シンキングのバランス

2011年11月11日 日本歯科評論掲載

直感力とクリティカル・シンキングのバランス

20年ほど前、長野県で鉄砲水が発生し、多くの人の命が奪われたことを記憶しているだろうか。鉄砲水とは、ゲリラ豪雨に見舞われた上流から、濁流が下流を一気に襲う川原の津波のようなものだ。その当時、下流で釣りを楽しんでいた1人に釣り人の話を、"3.11"の地震の際にも思い返していた。 いつもは深さ50センチくらいのところで岩魚が釣れるのに、その日に限って、いつもより1メートル以上も深い川底で岩魚が食いついてきたらしい。しかも釣った岩魚は皆、川底の石を大量にくわえていたという。異変を感じたその人は、一目散に高台まで駆け上がった。直後、川原には鉄砲水が襲いかかり、九死に一生を得た。岩魚は鉄砲水が来ることを予知していて、流されないように石をくわえて川底に待機していたわけれある。岩魚の予知能力もさることながら、その釣り人の鋭い直感力には度肝を抜かれた。

Decision-making~好奇心は意志決定の引き金~

人は意思決定の連鎖で人生を切り開いている。論理的に時間をかけて意思決定に向かう時もあれば、この釣り人のように直感的に瞬時に意思決定している時もある。 似通ったパターンで意思決定の連鎖を共有している人々は、やがてある種の同じような職業に辿り着く。学習と経験を繰り返しながら、あるいは何らかの社会的影響を受けながら、意思決定を積み重ねてきた結果である。さらに繰り返していくと、やがては、似たもの同士が職業の枠を超えて集まってきていることに気づいたりもする。そんな時、人は天命や運命を感じたり、今風に言えば"DNAを感じたり"もする。 意思決定を誘導しているのはやはり好奇心である。あることへ興味を抱くこと自体、何らかの影響や誘導を受け、遺伝子に左右されているような気さえする。まるで自分ともう一人の自分が二人三脚で歩んでいるかのように......。 「時代の籠児」とよばれたソフトバンクの創業者、孫 正義氏の意思決定も、無邪気な好奇心が常に引き金になっているようである。しかし、彼の場合は直感的な意思決定と同時に、すべてのストーリーが論理的に明確な脳内イメージに仕上がるまで、繰り返し念じ込んでいる。そして行動を起こす段階では、空間軸においても時間軸においても、そのストーリーは強烈かつ鮮明な動画イメージとして脳内に同居している。彼はソフト関連の出版事業からネット事業、さらに通信事業、そして震災直後には、ついにエネルギー事業参入をも決断した。異業界参入の際には常にその道では素人である。それはまさしく"感"じたら即"動"く姿勢の表れだ。だからこそ"感動"が生まれるのだろう。 最初は、単なる好奇心からの意志決定かもしれない。しかしとにかく行動に出てみなければ、何もわからない。ただし、意思決定を成功に導くためには、それが明確かつ克明なクリティカル・シンキングにより裏づけられている必要がある。


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