デュボワのパブリックエデュケーション活動

直感力とクリティカル・シンキングのバランス

2011年11月11日 日本歯科評論掲載

Critical thinking~日本人の陥りやすい否定的思考と苦手な否定的思考~

クリティカルシンキングとは、物事を構成に判断するために"論理的かつ構造的に考える思考法"あるいは"批判的に角度を変えて検証する思考法"で、東洋人には苦手な思考法だと言われてきた。"批判的"と"否定的"の区別がつかず、"信頼"と"信用"を同じように扱ってしまいがちな点も特徴なのかもしれない。たとえば「ある人が仕事で失敗をしてしまった。その仕事における"信用"は失ったので、同じ仕事はできないが、"信頼"は残っているので、別の仕事やプライベートではその人とお付き合いできる」。つまり「仕事の問題は法廷で争いながら、プライベートでは一緒にゴルフができる」というのが西洋人、「一度仕事で裁判沙汰になれば、他の仕事はおろかプライベートの付き合いも、ましてや一緒にゴルフなんて考えられない」というのが東洋人、と説明するとわかりやすい。後者はまさしく"否定的"な思考法であり、"批判的"とは一線を画す。 批判的思考法とは、「物事を公正に判断するため、真実を正確に明解に見定める努力」と、『実践!クリティカル・シンキングのすすめ』の著者である八重垣 健氏(日本しか大学教授)は定義する。これが歯科医療の診断とプランニングにおいてきわめて重要な思考法であることは言うまでもない。しかし、行き過ぎるとEBM至上主義に陥ってしまい、さらに昨今のポピュリズム(大衆迎合主義)の影響が加わると、直感力のような"根拠を論理的に説明しづらい感性"を医療へ応用することが完全に否定されてしまいかねない。その結果、西洋医学と代替医療という二極対立した医療の考え方を生み出したのではないか。 また日本では、医者も患者もおおむね同じ東洋人であるほか、クリティカルシンキングとは程遠い診断やプランニングが見受けられる理由の1つには、診断を断片的に下しては処置をすることを繰り返す、長年にわたる日本医療の週間が起因している。つまり、患者の現在の状態ですべてを判断し、患者の過去や10年後、20年後の将来をあまり視野に入れない、時間軸を考慮しない診断やプランニングが多いためである。 孫氏は地震の脳内イメージにおいて、空間軸と時間軸の中でクリティカルシンキングを繰り返し、論理的かつ直感的な判断から、やがて決断という意思決定を下すに至っている。しかし、この能力はすべての人に備わっているにもかかわらず、彼の突出している点は、常にその"強烈かつ繊細な創造力と持続力を駆使した明確なイメージを事前に完成させている"ことである。準備が整っているからこそ、チャンスのほうから近寄ってくるのだろう。その思考方法は成功の法則の断片を窺わせる。 多くの開業医は意志や歯科医師であると同時に経営を担う立場にあるが、決断はもとより、日々の診断にもこの脳内イメージの週間は参考になるのではないだろうか。


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