症例ケース 07 神経を失った歯を健常の歯に戻したい。
10代後半の女性の症例です。この方は、神経を取り去った歯が虫歯となり治療の必要に迫られました。ただし神経を取り去った歯の寿命は健常の歯に比べて短くなる傾向があり、通常の歯根治療が根本解決になりません。年齢的にも歯の寿命は大切ですので、根本解決の糸口を探します。
治療計画 1 検査で導き出された結果を元に、特殊な治療法を検討
本症例は左下の奥歯の神経がないため、慢性的に病気に掛かりやすく、また歯の寿命も短くなりがちです。
通常の治療であれば、神経の無い奥歯の延命処置が妥当と思われます。
しかしそれでは根本解決にはなりません。
検査時にレントゲンで確認したところ、幸いとなりの親不知が比較的形も良く、歯根もしっかりしていたため、隣の奥歯に移植を検討しました。
この治療法は20代前半の若年期までであれば、まだ神経の成長が見込める為、適用できる可能性があります。成年期になってしまうと神経を活かしたままの移植が難しい為、この治療法の優位性が薄れてしまいます。
特殊な治療法である為、ご本人への詳細な説明と確認をしっかり行い同意をいただきました。
初回カウンセリング(1時間) | ¥10,000 |
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- 費用は全て税抜きとなります(受診当時の参考治療法ならびに参考価格です)。
歯の移植は制限がかなり多く、本症例のようにうまく適合できる場合、最良の結果を生む可能性があります。
治療計画 2 親不知を使った移植後の歯根はどうなる?
移植のために神経の無い奥歯は抜歯します。
その後、親不知も抜歯して奥歯があった位置に移植します。
本症例の場合、親不知がかなり抜きやすい形状だった為大きな問題は発生しませんでした。
移植した際、奥歯と歯根の形状の差により歯根に隙間が発生しますが、歯根が成長することでフィットします。人間の持つ自然治癒力は計り知れません。
生きた歯であれば、移植後歯根が成長し最適な形になります。人間の自然治癒力を最大限活用します。
移植手術 | ¥50,000 |
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- 費用は全て税抜きとなります(受診当時の参考治療法ならびに参考価格です)。
治療経過 歯根の成長と安定を確認
現在経過観察として年3回の定期健診・年一回のレントゲン撮影を行うなどのメンテナンスを行っておりますが、無事歯根も成長し安定しております。
定期健診(0.5時間) | ¥20,000 歯周精密検査、レントゲン、ドクターチェック |
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- 費用は全て税抜きとなります(受診当時の参考治療法ならびに参考価格です)。